ターゲットファウル
たーげっとふぁうる
特定の選手を意図的に狙ってファウルを犯す戦術で、主にフリースロー成功率の低い選手や重要な選手をターゲットにする。最も有名なのは「ハック・ア・シャック」戦術で、フリースロー苦手な選手(シャキール・オニール、ドワイト・ハワード、アンドレ・ドラモンドなど)に対して、オフボール状態で意図的にファウルを犯し、フリースローで得点されるリスクを取る代わりに通常のフィールドゴールを防ぐ。また、相手のスター選手にファウルトラブルを起こさせて早期退場に追い込む目的でも使われる。NBAでは2016年にルール改正が行われ、最後の2分間はオフボールファウルに対して厳しい罰則が設けられ、この戦術の使用が制限された。倫理的な議論も多く、試合の流れを損なうとの批判がある一方、合法的な戦術として擁護する意見もある。ターゲットにされる選手はフリースロー練習を強化する動機付けとなり、また速やかにボールを受ける動きで回避する技術も求められる。戦術的な駆け引きの一つだが、観客の視点からは退屈なプレーとみなされることも多い。