バスケットボール用語辞典

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スピードドリブル

すぴーどどりぶる

スピードドリブルは、バスケットボールにおいて最大速度で前方へ進むために最適化されたドリブル技術であり、主にファストブレイクトランジションプレーで使用される。通常のコントロールドリブルと異なり、ボールを体の前方やや高めの位置でつき、歩幅を大きくとって全速力で走ることを優先する。この技術の核心は、ボールコントロールと走行速度のバランスを取りながら、可能な限り速くコートを縦断することにある。ラッセル・ウェストブルック、デアーロン・フォックス、ジャ・モラントなどのNBAで最速級のガードたちが、スピードドリブルを駆使してファストブレイクを主導している。効果的なスピードドリブルを実行するには、まず体を前傾させ、全力疾走の姿勢を取る。ボールは通常のドリブルよりもやや前方、腰から胸の高さ程度でつき、1ドリブルあたりの移動距離を最大化する。視線は前方のコート全体を捉え、味方の位置やディフェンスの配置を把握する。スピードドリブル中は細かいハンドリング技術よりも、ボールを落とさずに最短時間でゴールに到達することが優先される。ディフェンダーがいない状況では、ボールを前方に大きく押し出すように1〜2回ドリブルし、その間に数歩走るという効率的な移動も可能である。ただし、ボールが体から離れすぎるとコントロールを失うリスクがあるため、周囲の状況に応じて調整が必要である。スピードドリブルからレイアップやダンクへスムーズに移行するには、ゴール付近でドリブルの高さを徐々に下げ、最後の2歩でボールをギャザーする技術も重要となる。