ファストブレイク
ふぁすとぶれいく
ファストブレイクは、ディフェンスからオフェンスへの切り替え時に、相手チームの守備陣形が整う前に素早く攻撃を仕掛ける戦術である。速攻とも呼ばれ、リバウンドやスティール、ターンオーバーの直後に開始されることが多い。この戦術の核心は、数的優位(例:3対2、2対1など)を作り出し、相手が守備を固める前に得点することにある。典型的なファストブレイクの流れは、リバウンド獲得→アウトレットパス(サイドへの素早いパス)→ドリブルプッシュまたはパス展開→レイアップやダンクでのフィニッシュとなる。歴史的には、1960年代のボストン・セルティックスや、1980年代のショータイム・レイカース(マジック・ジョンソン時代)がファストブレイクを芸術的なレベルまで昇華させた。現代NBAでは、ゴールデンステート・ウォリアーズやミルウォーキー・バックスがトランジション(切り替え)の速さを武器としている。効果的なファストブレイクには、リバウンド力、パス精度、スピード、判断力、そしてレーンを走るタイミングが重要である。また、セカンダリーブレイク(最初の速攻が決まらなかった後の次の攻撃)への移行も重要な要素となる。