バスケットボール用語辞典

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スペーシング

すぺーしんぐ

スペーシングとは、オフェンス時に選手同士が適切な距離を保ち、コート全体を効果的に使うための配置概念のことである。良いスペーシングを保つことで、ディフェンスを広げて1対1の状況を作りやすくなり、ドライブやパスのコースが開けるため、攻撃の選択肢が増える。一般的に、選手間は4〜5メートル程度の距離を保つことが理想とされており、密集しすぎるとディフェンスが複数人で守りやすくなってしまう。現代バスケットボールでは、3ポイントシュート能力のある選手を外周に配置し、中央にスペースを作ることで、ドライブポストプレーを効果的にする戦術が主流となっている。スペーシングの重要性は「5アウト」と呼ばれる全員が外周に位置するフォーメーションや、「4アウト1イン」といった戦術の発展からも明らかである。また、ボールマンだけでなく、オフボールの選手の動きもスペーシングに大きく影響し、適切なカッティングやリロケーション(再配置)によってディフェンスを崩すことができる。コーチはチームのスペーシングを改善するために、選手の立ち位置やオフボールムーブメントを細かく指導することが多く、これは現代バスケットボールの基本戦術の一つとなっている。