フリックパス
ふりっくぱす
フリックパスは、バスケットボールにおいて手首のスナップ(フリック)を使って素早くボールを送るパス技術である。腕全体の大きな動作ではなく、主に手首と指先の瞬発的な動きでボールをリリースすることが特徴であり、予備動作が小さいため相手に読まれにくい。この技術の核心は、最小限の動作で最大限の速度とサプライズ性を生み出すことにある。フリックパスは主にドリブル中や狭いスペースでのパス、ノールックパスとの組み合わせなどで効果を発揮する。マジック・ジョンソン、ジェイソン・ウィリアムス、ステフィン・カリーなどのNBAのクリエイティブなパサーたちが、フリックパスを駆使して相手の予想を裏切る展開を生み出している。効果的なフリックパスを実行するには、まずボールを片手または両手で軽く保持する。大きな予備動作を避け、手首を素早く返すことでボールに回転と推進力を与える。指先でボールの方向をコントロールし、ターゲットへ正確に送る。フリックパスは特にドライブ中にディフェンスが収縮してきた際、外側のシューターへ素早くボールを展開する場面で有効である。また、ディフェンダーの間を通すショートパスやタッチパスの際にも、フリック動作が使われる。手首と指の力だけでパスを完結させるため、腕力よりもテクニックと感覚が重要であり、繰り返しの練習によって距離感とタイミングを習得する必要がある。フリックパスはリスクも伴うが、成功すればディフェンスが反応できない展開を作り出せる創造的なパス技術である。