タッチパス
たっちぱす
タッチパスは、バスケットボールにおいてボールをキャッチせずに、または一瞬触れただけで即座に次の味方へパスする技術である。ワンタッチパスとも呼ばれるこの技術は、ボールの流れを途切れさせず、ディフェンスが反応する時間を与えないスピーディーなボール展開を可能にする。この技術の核心は、ボールを保持する時間を最小限にすることで、ディフェンスのローテーションが完了する前に有利な状況を作り出すことにある。タッチパスは主に速攻時やボールムーブメントを重視するオフェンスシステムで効果を発揮する。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、スティーブ・ナッシュなどのNBAプレイヤーたちが率いるチームは、タッチパスを多用してディフェンスを崩す美しいオフェンス展開を見せている。効果的なタッチパスを実行するには、まずボールが飛んでくる前に次のパスの行き先を決定しておく必要がある。周辺視野でコート全体を把握し、味方の位置とディフェンスの配置を認識する。ボールをキャッチする瞬間、または触れる瞬間に、指先と手首のスナップだけで次の方向へリダイレクトする。この際、ボールを一度保持するのではなく、飛んでくる勢いをそのまま利用して方向転換させる。タッチパスは特にペリメーターでのボールスイングや、ドライブアンドキック後の追加パス、アリウープのアシストなどで使用される。高度なコートビジョンと反応速度が求められるが、成功すればディフェンスが対応不可能な展開を作り出せる。また、タッチパスを多用することでディフェンスは全員に意識を向けなければならず、個別のマークアップが困難になる効果もある。