バスケットボール用語辞典

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マッチアップゾーン

まっちあっぷぞーん

マッチアップゾーンとは、ゾーンディフェンスマンツーマンディフェンスの要素を組み合わせた高度なディフェンス戦術です。基本的にはゾーンの形を保ちながら、自分のエリアに入ってきた選手に対してはマンツーマンのようにタイトにマークする方式です。このディフェンスの特徴は、ゾーンの構造的な強さとマンツーマンの圧力を同時に実現できることです。選手は担当エリアを持ちつつ、そのエリア内での対人マークを徹底します。ボールや選手の動きに応じて、担当する相手を受け渡し(スイッチ)しながら、常に誰かが各オフェンス選手をマークしている状態を作ります。マッチアップゾーンの利点は、純粋なゾーンディフェンスの弱点であるギャップやオープンショットを減らせること、マンツーマンの弱点である個人のミスマッチスクリーンをカバーできることです。また、相手にとっては対策が難しく、どちらのディフェンスなのか判断しづらいという心理的効果もあります。一方で、選手に高いバスケットボールIQ、コミュニケーション能力、体力が求められます。シラキュース大学のジム・ベーハイムコーチが長年使用していることで有名で、大学バスケットボールで特に効果を発揮しています。実行には練習と理解の深さが不可欠です。