バスケットボール用語辞典

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ラップアラウンドパス

らっぷあらうんどぱす

ラップアラウンドパスは、バスケットボールにおいてディフェンダーの体の周りを通すように送るパス技術である。「ラップアラウンド」は「巻き付ける、回り込む」という意味であり、直線的なパスコースが塞がれている際、ディフェンダーの横や背後を迂回するようにボールを送る。この技術の核心は、ディフェンダーの体を障害物として認識し、その周囲の空間を利用してパスコースを創出することにある。ラップアラウンドパスは主にドライブ中やポストプレイ時に、ディフェンダーが密着している状況で効果を発揮する。マジック・ジョンソン、ジェイソン・キッド、ニコラ・ヨキッチなどのNBAのビジョンに優れたパサーたちが、ラップアラウンドパスを駆使して創造的な展開を生み出している。効果的なラップアラウンドパスを実行するには、まずディフェンダーの位置と体の向きを正確に把握する。ボールを片手で保持し、ディフェンダーの体の周りを通るようなアーチ状の軌道でパスを送る。リリースポイントはディフェンダーの体から離れた位置とし、ボールがディフェンダーの手の届かない空間を通るようにする。手首のスナップと指先のコントロールにより、ボールに適切な回転とアーチを与える。ラップアラウンドパスは特にドライブ中にディフェンダーを抜いた瞬間、ヘルプディフェンスローテーションしてくる前に、フリーになった味方へボールを届ける際に有効である。また、ポストプレイでダブルチームを受けた際にも、ディフェンダーの背後を通してパスを送ることができる。高度な空間認識力と正確なパス技術が要求される難易度の高いパスだが、習得すればディフェンスの予測を超えた展開を作り出せる。