バスケットボール用語辞典

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ホイップパス

ほいっぷぱす

ホイップパスは、バスケットボールにおいて腕を鞭(ホイップ)のように振ることで、素早く強いパスを送る技術である。ショルダーパスフリックパスと関連するが、腕全体をしなやかに使って遠心力を生み出し、ボールに強い回転と速度を与える点に特徴がある。この技術の核心は、肩、肘、手首の連動した動きによって、鞭のようなしなりを作り出し、最小限の体力で最大限のパス速度を実現することにある。ホイップパスは主にロングパスやファストブレイク時のアウトレットパスディフェンスのギャップを突く速いパスで使用される。ニコラ・ヨキッチ、レブロン・ジェームズ、ラッセル・ウェストブルックなどのNBAプレイヤーたちが、ホイップパスを駆使してコート全体を使った展開を生み出している。効果的なホイップパスを実行するには、まずボールを片手で保持し、肩の後方に引く。次に、肩から順に肘、手首へと力を伝達させながら、腕全体を鞭のようにしならせて前方へ振る。リリースの瞬間は手首のスナップを最大限に効かせ、指先でボールの方向と回転をコントロールする。この連続した動作により、腕全体の運動エネルギーがボールに集約され、強く速いパスが実現される。ホイップパスは腕の柔軟性と肩の可動域が重要であり、硬い動作では効果が半減する。また、パスの軌道は直線的または低いアーチを描くようにし、受け手が捕りやすい高さとタイミングを心がける。ホイップパスは遠距離への正確なパスを可能にし、トランジションプレーやハーフコートオフェンスの両方で重要な役割を果たす。