バスケットボール用語辞典

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スイングパス

すいんぐぱす

スイングパスは、バスケットボールにおいてボールをコートの片側からもう片側へ素早く展開するパス技術である。「スイング」は「振る、揺らす」という意味であり、ボールを左右に大きく動かすことでディフェンスのバランスを崩し、ウィークサイドにスペースを作り出す。この技術の核心は、ディフェンスが一方向へ寄せた際、逆サイドへ素早くボールを展開することで、数的優位やオープンシュートの機会を創出することにある。スイングパスは主にハーフコートオフェンスでのボールムーブメントゾーンディフェンス攻略で重要な役割を果たす。サンアントニオ・スパーズやゴールデンステート・ウォリアーズなどのボールムーブメントを重視するNBAチームが、スイングパスを駆使して美しいチームオフェンスを展開している。効果的なスイングパスを実行するには、まずストロングサイドでボールを動かし、ディフェンスを一方向へ寄せる。次に、ウィークサイドの味方の位置を周辺視野で確認し、ディフェンスローテーションが完了する前に素早くパスを送る。スイングパスは通常、スキップパスタッチパスの形で行われ、2〜3人の味方を経由して逆サイドへボールを運ぶ。この過程でディフェンスは横方向への移動を強いられ、クローズアウトが遅れたり、誰かがマークを見失ったりする可能性が高まる。スイングパスの速度が重要であり、ゆっくりとしたパス展開ではディフェンスに対応する時間を与えてしまう。また、スイングパス後のシューターは即座にシュートの準備をする必要があり、キャッチアンドシュートの技術が求められる。スイングパスは現代バスケットボールの基本的なオフェンス戦術であり、スペーシングボールムーブメントの理解が不可欠である。