プリンストンオフェンス
ぷりんすとんおふぇんす
プリンストンオフェンスとは、1960年代から90年代にかけてプリンストン大学のピート・キャリル監督が確立した戦術システムである。このオフェンスの最大の特徴は、バックドアカットを多用することと、選手全員がパス、ドリブル、シュートの全ての能力を持つことを前提としている点である。基本的な形は、トップにポイントガード、両ウィングにシューター、ハイポストとローポストにビッグマンを配置する。ハイポストの選手がハブとなり、パスを受けてからカットやスクリーンの起点となる。ディフェンスがデナイディフェンスを行った瞬間にバックドアカットを仕掛け、容易なレイアップを狙う。また、頻繁なスクリーンとカットによってディフェンスを混乱させ、オープンショットを作り出す。このシステムは身体能力に劣るチームでも、高いバスケットボールIQと緻密な連携によって強豪チームと対等に戦える戦術として知られている。NBAではサクラメント・キングスの元ヘッドコーチであるリック・アデルマンや、ワシントン・ウィザーズ時代のエディ・ジョーダンが採用し、一定の成功を収めた。現代のバスケットボールにおいても、その原則はモーションオフェンスに影響を与えている。