トリプルムーブ
とりぷるむーぶ
トリプルムーブは、バスケットボールにおいて3つの連続したドリブルテクニックを組み合わせることで、ディフェンダーを完全に翻弄する最高難度のハンドリング技術である。ダブルムーブをさらに発展させたこの技術では、1つ目と2つ目のフェイントでディフェンダーの重心を大きく崩し、3つ目のムーブで決定的に抜き去る。この技術の核心は、3つの異なる動作を流れるように連結させ、ディフェンダーに予測と対応の時間を与えないことにある。カイリー・アービング、ジャマール・クロフォード、アンドレ・ミラーなどのNBAでも指折りのボールハンドラーたちが、トリプルムーブを実戦で使いこなしている。代表的な組み合わせとしては、「ヘジテーション→クロスオーバー→レッグスルー」「インサイドアウト→ビハインド・ザ・バック→スピンムーブ」「ロッカー→シャムガッド→ビトウィーン・ザ・レッグス」などがある。効果的なトリプルムーブを実行するには、高度なボールハンドリング能力と体幹の強さが不可欠である。3つの動作をすべて低い姿勢で行い、ボールを常にコントロール下に置きながら、各ムーブ間の移行をスムーズに行う必要がある。また、ディフェンダーの反応を瞬時に読み取り、状況に応じて3つ目のムーブを変化させる判断力も求められる。トリプルムーブは極めて高度な技術であるため、実戦で成功させるには反復練習によって各動作を無意識レベルで実行できるまで習得する必要がある。成功すれば1対1の状況で圧倒的な優位性を得られるが、失敗時のターンオーバーリスクも高いため、使用する場面の選択も重要である。